活動報告
   第21回  グローバルCOE 特別セミナー
講演中の花岡 成行博士 静聴する若手研究者
期間 平成22年1月22日(金) 10:00-12:00
開催場所 愛媛大学 総合研究棟1  理学部 6階会議室
概要
プログラムなど
講師:花岡 成行博士
    
所属:内閣府 大臣官房 遺棄化学兵器処理担当室 事業参与

題目:化学兵器剤概論~化学剤関連物質の分析化学と環境化学~
 
使用言語:日本語
スライド:英語

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   以下、このセミナーに参加したグローバルCOE研究員 小野純さんのレポートを紹介し、報告といたします。
 平成22年1月22日に愛媛大学総合研究棟1の6階会議室において,第21回グローバルCOE特別セミナーが開催されました.講師に内閣府大臣官房遺棄化学兵器処理担当室の花岡成行博士をお招きし,「化学兵器剤概論―化学剤関連物質の分析化学と環境化学―」という演題で,ご講演していただきました.
化学兵器はかつて戦場だけの脅威と考えられていましたが,平成6年および7年に相次いで起こった松本および地下鉄サリン事件や平成15年に茨城県神楢市で起こったジフェニルアルシン酸による地下水汚染によって,住民が被害を受けたことで化学兵器剤の名前を一般人の誰もが知ることになりました.国外では,中国に遺棄された数十万発の化学砲弾や有害発煙筒などの化学兵器による被災事例がたびたび報道されています.しかしながら,化学兵器剤に対する一般的な認知度は依然として低く,正しい認識が浸透しているとは言えないのが現状です.
花岡博士は,このような背景を踏まえて,まず化学兵器剤の種類,特性,毒性などの基礎知識について解説された後,サリン事件のような化学テロや国内および中国における遺棄化学兵器に関連する事例を挙げながら,化学剤関連化合物の検知・分析および関連する調査,研究開発の現状を説明されました.また,環境化学的な観点から,有機ヒ素化学剤が環境に漏洩した場合に与えるリスクについても紹介してくださいました.
昨今,化学兵器や生物兵器による数多くのテロ事件が報道され,その存在および脅威は決して他人事ではなくなっています.その一方で,化学兵器剤などの名前や人体への影響などに関する知識は専門性が強いため,一般人にとっては難解なものが多いことも事実です.花岡博士のご講演は,基礎知識を導入し実例を挙げて説明することで,専門外の一般人にも大変わかりやすく大変興味深いものでした.また,二時間に及ぶ発表の後に行われた質疑応答では,多くの参加者から分野横断的な議論が交わされ,大変有意義で活発な議論の場となりました.個人的には,中国で起こっている化学兵器剤による被害が河川を通じて海洋環境に与えるリスクを想定し,現在取り組んでいる東シナ海における残留性有機汚染物質のモデリングを高精度化する必要があると感じました.
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