| 期間 |
平成22年3月16日(火) 15:00-16:30 |
| 開催場所 |
愛媛大学 メディアホール |
概要
プログラムなど |
講師:大久保 規子教授
所属:大阪大学大学院 法学研究科
題目:環境ガバナンスと市民参加
使用言語:日本語
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問い合わせ |
COE支援室
愛媛大学沿岸環境科学研究センター
E-mail: global'at'dpc.ehime-u.ac.jp Tel./Fax: 089-927-8178/8167
E-mail送信時には'at'を@に変更してください。 |
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報告 |
以下、このセミナーに参加しましたグローバルCOE研究員 西本壮吾さんによるレポートを紹介し、報告といたします。 |
平成22年3月16日(火)、平成21年度グローバルCOEプログラム成果報告会に続き、愛媛大学メディアホールにおいて、第23回グローバルCOE特別セミナーが開催されました。今回のセミナーでは大阪大学大学院法学研究科の大久保規子先生をお招きし、「環境ガバナンスと市民参加」のタイトルでご講演いただきました。大久保先生は今回の講演で、持続可能な社会実現のための社会構造の転換にはどの様な取り組みが必要であるか、という課題について詳しく解説され、併せて具体的な取り組み事例についても説明されました。都市計画や土地利用に関して、地方自治体では行政主導の意思決定がなされてきました。しかしながら、その意思決定に生物環境保全の概念が組み込まれることは、ごく稀でした。こうした反省を踏まえ、都市計画などの意志決定においては、様々な立場の組織や意見が協同的に進展するような環境ガバナンスの確立が必要とされています。大久保先生は、環境ガバナンスの確立に向けた具体的な取り組みとして、広島県福山市鞆地区の事例を紹介されました。鞆地区は瀬戸内海に面した港町で、昔ながらの町並みや港の景観がそのまま残っています。鞆地区はその景観の歴史的・文化的な価値が高いだけでなく、今でも実際に地区住民にとって良好な生活環境となっています。しかしながら、広島県と福山市は地区周辺の交通事情改善や地域活性化を理由に、港湾埋立てや架橋の建設を計画し、県知事に埋立て免許を申請しました。環境の保全を考慮しない行政の動静に対し、地区住民は反対運動を繰り広げ、埋立て免許差し止め訴訟に発展する事態になりました。裁判の結果、広島地裁は埋立て反対派である原告の景観利益を認め、免許差し止めを指示したため、鞆地区の景観環境は保たれることになりました。景観の保全か開発か、難しい問題ではありますが、今回の判決が景観価値を認める司法判断に至った背景には、環境保全の重要性を訴え続けた地道な市民の活動があったと考えられます。行政や業界の偏向的な利便追及により地域固有な景観が失われる危機は日本各地で起こる可能性があり、鞆地区の事例のように、環境保全の観点から様々な立場の専門家や地域住民の意見が反映される健全な合意形成のプロセス設定が望まれます。類似の事例は将来増加することが予想され、大久保先生の御講演は今後の環境ガバナンス確立に向けた取り組みと環境保全のあり方を考える良い機会となりました。参加者の関心は高く、講演後は聴講者から多数の質問が寄せられました。環境保全に関する訴訟への裁判員制度導入の可能性など、市民参画についての幾つかの質問に対して、今後の方向性や先生の自論を含めながら丁寧に御回答いただき、大変有意義で盛会なセミナーとなりました。
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