| 期間 |
平成22年5月17日(月) 16:00-18:00 |
| 開催場所 |
愛媛大学 総合研究棟1 理学部6階会議室 |
概要
プログラムなど |
講師:Prof. Robert Suryan
所属:オレゴン州立大学
題目:Ecology and Habitat Use of North Pacific
Albatrosses:Integrating Satellite Tracking and Remote
Sensing
使用言語:英語
開催ポスターはこちら
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問い合わせ |
COE支援室
愛媛大学沿岸環境科学研究センター
E-mail: global'at'dpc.ehime-u.ac.jp Tel./Fax: 089-927-8178/8167
E-mail送信時には'at'を@に変更してください。 |
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報告 |
以下、このセミナーに参加しました 理工学研究科 博士課程1年 三浦良彰さんによるレポートを紹介し、報告といたします。 |
平成22年5月17日、愛媛大学において第24回グローバルCOE特別セミナーが開催されました。今回はオレゴン州立大学のRobert
M.Suryan教授をお招きし、「北太平洋に生息するアホウドリの衛星追跡とリモートセンシングを用いた環境と生息地の分布」という表題でご講演いただきました。
アホウドリは南半球南部全域に生息していますが、北半球では北太平洋に限局し、日本近海を生息地とするアホウドリ、テルン島・ハワイ島を生息地とするクロアシアホウドリ、2種の中間に位置し、テルン島を繁殖地とするコアホウドリ(LAAL)の3種が生息しています。この3種は絶滅危惧種に指定され保護されています。これら3種のアホウドリは繁殖期にはコロニー周辺に留まっていますが、それ以外の期間は北太平洋を広く移動し、4000kmを超える採食活動を営んでいます。その移動範囲は日本近海からアメリカ西海岸に及んでいます。今回の講演では、衛星追跡システムとリモートセンシングを用いて、アホウドリ3種の、ポストブリーディングシーズンの移動ルートとパターン、生息地の確認、生息地条件の厳密なモデル作りを目的とした研究について紹介されました。
衛星追跡による移動ルート計測から、ポストブリーディングシーズンは3種ともベーリング海からアメリカ西海岸の高緯度地域を移動していることが確認されました。また移動ルートの解析から、アホウドリの移動には、風速、植物プランクトンの量(chl-a)、海表面温度(STT)、深度が関与していることが確認され、これは採食活動と深くかかわっていると考えられました。この条件には種差があり、深度やSTTにより種ごとに特徴のある移動パターンを有していることがわかりました。3種の移動範囲は太平洋ごみベルトの付近であり、アホウドリのヒナがプラスチックを親鳥から与えられ死亡するケースが確認されています。ハワイ諸島でこの状況を調査した結果、クレ環礁では50%のヒナにプラスチックの摂取が見られましたが、オアフ島では5%しか確認されませんでした。移動パターンの解析とともにPCBsなどの環境汚染物質を測定すると、PCBs、DDTs、総水銀量の全てにおいて、クロアシアホウドリの方がコアホウドリより高いという結果が得られました。
これらの結果から、アホウドリは様々な環境条件に即した移動パターンを示していることがわかりました。このパターンは種によって違いがあり、アホウドリの保護にこの結果を活かす必要があると考えられます。
また、アホウドリの移動範囲の多くは人間の漁業活動の範囲と重複していることも重要です。
この研究で、鳥種の移動パターンに、様々な環境要因が関与し、これらは環境汚染物質の暴露状況、保護区の策定などにも繋がっているなど多様な情報が得られたことから、参加者にとって大変興味深く有意義なものでした。 |