
| 期間 |
平成21年3月16日(月)~18日(水) |
| 開催場所 |
愛媛大学 理学部講義棟 302号室 |
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プログラム |
日程:
3月16日(月) 9:00-17:25
各サブテーマリーダーによる研究成果報告
サブテーマ1: 汚染の実態解明、過去の復元、将来予測
サブテーマ2: 汚染の動態解析とモニタリング
3月17日(火) 9:00-16:25
サブテーマ1: 汚染の実態解明、過去の復元、将来予測
サブテーマ2: 汚染の動態解析とモニタリング
サブテーマ3: 生体毒性の解明とリスク評価
3月18日(水) 9:00-14:20
サブテーマ3: 生体毒性の解明とリスク評価
詳細プログラムはこちら |
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報告 |
以下,セミナーに参加した,若手研究者によるレポートを紹介し,報告といたします。
<全体報告>
平成21年3月16日(月)~18日(水)、愛媛大学理学部講義棟302号室において、「平成20年度グローバルCOEプログラム研究成果報告会」が開催されました。グローバルCOEプログラム「化学物質の環境科学教育研究拠点」の事業推進担当者に加え、本プログラムに参加するポスドク研究員、博士課程の学生により、サブテーマ1(汚染の実態解明、過去の復元、将来予測)から25演題、サブテーマ2(汚染の動態解析とモデリング)から16演題、サブテーマ3(生体毒性の解明とリスク評価)から20演題が発表されました。グローバルCOEの2年目の研究成果報告会ということもあり、議論の焦点は、前年度に提案した研究計画の成果に加え、新たな研究課題への対応に当てられました。総じて、各人の研究計画は着実に遂行されていることに加え、その発表内容も前年の成果に比べて格段に質が高く、グローバルCOEプログラムの研究が順調に進んでいることを実感した発表会でした。報告会の最後には、CMES(沿岸環境科学研究センター)センター長・武岡英隆教授から高い評価と来年度への期待の言葉があり、盛況の内に閉幕しました。
(1)サブテーマ1
サブテーマ1では、16日および17日の両日に渡って進捗状況を報告しました。まず、テーマ1のリーダーの鈴木聡教授により、本テーマ1の概要が説明された後、個々の研究について各研究者が発表しました。
今回の報告会におけるサブテーマ1の発表者は25名(内訳:教員9名、研究員5名および博士課程学生11名)であり、化学物質の分析法の開発、モニタリング、生物の蓄積特性および微生物群集に対する影響評価など多岐にわたる成果が紹介されました。分析法の開発については、高菅客員教授が高分解能ガスクロマトグラフ-高分解能飛行時間型質量分析計を用いた、スジイルカの有機ハロゲン化合物の定性および定量について報告しました。また、モニタリングについては、近年問題視されているe-waste関連の汚染実態について数名の若手研究者が取り組んでおり、ベトナムおよびインドのe-wasteリサイクル地域での重金属および新規POPs候補物質による深刻な汚染実態を明らかにしました。この他にも、フィリピンのマニラ湾について複数の研究者が着目しており、堆積物の物理化学的特性に加え、重金属および新規POPs候補物質による汚染実態が明らかとなりました。また、生物の化学物質蓄積特性については、鯨類および水棲哺乳類における水酸化PCBの定量に関する研究が報告され、代謝経路を介して化学物質の毒性および動態が変化することを示しました。この他、環境微生物が有機スズおよび抗生物質に対して耐性を獲得するメカニズムと、現場での耐性菌率と汚染濃度の相関関係についても報告されました。
今年度の成果報告を行なうだけでなく、今後の予定と展望についても発表や議論が交わされ、各研究が次年度以降もより深化し進展することが期待されました。サブテーマ1ではサブテーマ2との連携が中心課題の一つとなっており、東シナ海におけるPOPs動態モデルの構築を目指した共同研究を通して、本格的な学際研究の推進が議論されました。
(2)サブテーマ2
サブテーマ2では「汚染の動態解析とモデリング」の研究成果が報告されました。
報告会の前半では、主に「安定同位体解析等による生態系構造の解析と有害物質の生物濃縮機構の解明」に関連する研究が報告されました。フィリピン・マニラ湾で採取された堆積物の分析結果からは、環境汚染の現状およびその変遷が人間活動に伴って起こることが示唆されました。また、炭素・窒素安定同位体比を用いた解析からは、瀬戸内海における食物網構造の実態が示されました。これらの研究成果は、POPsの食物連鎖を介した生物への濃縮・蓄積過程を解明する上で極めて重要なものです。
報告会の後半では、主に「数値モデルによる有害物質の大気循環、海洋輸送、生態系動態の解析」に関連する研究が報告されました。海洋におけるPOPsのモデリングとして、東シナ海におけるクロロフィルaおよびPCB153の季節変動シミュレーションと漂着ゴミの予報実験についての結果が示されました。特に、運用が始まっている東シナ海沿岸における漂着ゴミの予報システムは、再現性の良い海洋循環モデルに基づいているため、化学汚染物質の輸送という観点でも極めて有用なものになると期待されます。また、光合成プランクトンによるPOPsの吸着過程と溶存有機炭素へのPOPsの分配過程を定式化した研究が報告され、海洋におけるPOPsの動態予測の高精度化が期待されます。一方、大気におけるPOPsのモデリングとして、POPsの全球多媒体モデルFATE(Finely
Advanced Transboundary Environmental
model)による長期シミュレーション結果が紹介されました。さらに、FATEの出力結果とPOPsの排出量データを用いた統計解析から、気候変動がPOPsの動態に影響を与えていることを示唆する大変興味深い知見も報告されました。
この他にも、サブテーマ2に関連する瀬戸内海・大阪湾・マニラ湾での多くの研究成果が報告され、大変有意義かつ活発な議論の場となりました。
< サブテーマ3 生体毒性の解明とリスク評価 >
サブテーマ3では「生体毒性の解明とリスク評価」について各教員、研究員および学生が報告しました。
まず、サブテーマ3のグループリーダー岩田久人教授が、グループ内の研究の動向および課題について説明された後、研究対象となる化学物質をPOPsおよびPOPs候補物質、重油などに絞って共同研究プロジェクトを立ち上げる予定であることが報告されました。
2日目および3日目に、サブテーマ3の個々の研究者が成果を報告しました。昨年に引き続きダイオキシン類、トリブチルスズ、亜鉛、重油などによる汚染が魚類、環形動物、鳥類および哺乳類の生殖、発生、脂質代謝、免疫、代謝系、イオンホメオスタシス、遺伝子応答に及ぼす影響の研究、およびes-BANKのサンプル、実験動物、魚介類、酵母または細胞などを用いた毒性影響解明研究が報告され、それぞれが興味深い内容でした。
また、今年度は化学物質についてはパラコート、エンドスルファン、2,4-Dが新しく研究対象に加わりました。さらに、ヒトデによる魚介類の成長促進、表面プラズモン共鳴バイオセンサーを用いたPPARsスクリーニング法の開発、筋肉、神経に対するリスク評価研究が新たに紹介されました。教員のみならず若手研究者、博士課程学生に至るまでそれぞれが独創的で多様な研究成果を報告しました。活発で有意義な質疑応答が交わされ、サブテーマ3の研究成果の充実ぶりが感じられました。
平成21年3月16-18日に開催された平成20年度グローバルCOEプログラム研究成果報告会において、サブテーマ3からは「生体毒性の解明とリスク評価」について各教員、研究員および学生により報告された。
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