| 期間 |
平成21年4月24日(金) 17:00-18:00 |
| 開催場所 |
愛媛大学 総合研究棟 増築棟4階会議室 |
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プログラム |
講師: 山本 幸男 獣医学博士
(東京医科歯科大学難治疾患研究所メディカル・トップトラック(MTT)プログラム、
メディカルトップトラック(MTT)フェロー(特任講師))
タイトル: 「核内レセプターによる肝臓毒性発現の分子機序」
注)使用言語: 口頭;日本語、発表資料;英語
講師についての詳しい情報は以下です。
http://www.tmd.ac.jp/mri/mtt/mtt.html (外部サイト)
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報告 |
以下、このセミナーに参加したグローバルCOE研究員 西本壮吾さんによるレポートを紹介し、報告といたします。
平成21年4月24日(金)、愛媛大学総合研究棟Ⅰ増築棟4階会議室において、第7回グローバルCOE若手の会特別セミナーが開催されました。東京医科歯科大学難治疾患研究所メディカル・トップトラックプログラム
メディカル・トップトラックフェロー(特任講師)の山本幸男先生をお招きし、「核内レセプターによる肝臓毒性発現の分子機序」のタイトルでご講演いただきました。講演の内容は、生体防御のための肝臓解毒システムに関わる調節因子と関連するシグナル伝達経路を中心に、3つのトピックに分けて実際の実験データを交えてご説明いただきました。
麻酔薬として使用されるPhenobarbital (PB)
は、齧歯類において肝臓ガンを誘発する典型的なnongenotoxicな発ガン物質として知られており、誘発メカニズム解析のためのPBの分子標的の研究が進められてきました。核内受容体constitutive
active/androstane receptor (CAR)
は、疾患の治療薬や環境汚染物質など様々な生体異物による活性化と同様にPBによって活性化されます。つまり、PBのCARを介したシグナル伝達経路の解明は、環境汚染物質の解毒代謝を解明することに繋がるといえます。PB投与によりCARを介して、薬物代謝に関わるCYPs、GST、ADHなどの遺伝子発現が誘導されます。CARの標的遺伝子の一つであるCYP2B10の遺伝子発現に注目すると、野生型マウスにDiethylnirosamine
(DEN)
とPBを共処理した場合にのみCYP2B10が発現し、肝臓ガンの形成が見られました。一方、CARノックアウトマウスでは、同様の実験を行なっても肝臓ガンの発生は認められませんでした。つまり、PBによって誘起される肝臓ガンは、CARを介したシグナル伝達経路が必須であることが検証されました。CARを介した肝臓ガン発生までのシグナル伝達経路はブラックボックスでしたが、詳細な解析の結果CARの下流に存在するGADD45Bが重要な役割を担っていることを明らかにされました。
また、肝臓毒性の視点から、胆汁鬱滞とエストロゲンの関係に注目し研究を進められました。妊娠中や経口避妊薬の投与後、閉経後の代替治療期間において、エストロゲンは肝内胆汁鬱滞のような肝毒性を引き起こすことが知られています。CARやPXRなどの核内受容体は、胆汁酸ホメオスタシスを維持し、肝臓を胆汁酸毒性から保護するために重要です。しかしながら、これらの核内受容体は、エストロゲンによる肝臓毒性には関与していませんでした。合成エストロゲンEE2投与によって変性・炎症・肝臓毒性が引き起こされます。そこで、そのシグナル伝達経路の解析のためエストロゲンレセプター(ER)ノックアウトマウスを用いて研究を行なった結果、EE2誘発の肝臓毒性は、ERを介した肝臓トランスポーターの抑制と胆汁酸合成抑制が原因であることを明らかにしました。
山本先生の研究に対する参加者の関心は大変高く、講演後は聴講者から多数の質問が寄せられました。幾つかの質問に対しては未発表の情報も含めて詳細かつ丁寧にご回答いただくなど、非常に有意義な講演となりました。
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